障害は個性ではありません。障害は「障害」です

 

<目に見えにくい障害>鬱病、統合失調症・双極性障害などの気分障害

日本では障害者を支援する協会、授産施設、公的助成など様々な形での取り組みがやっと活発化してきました。しかしそれは身体や知的等見えやすい障害に対する支援がほとんどを占めています。

私たちは私たちのまわりの幾分変った、エキセントリックな人を見かけると、性格異常や精神の障害として一歩引いたかたちで接することが多かったと思います。そして、このような人々を「メンタル」という括りで片付けてしまいがちです。しかし、これらの障害は内因・外因による脳の病であり、極めて「フィジカル」なものなのです。それは、脳内の機能や分泌物の低下だったり、幼い頃の環境やトラウマであったり色々なものが要因となり発症します。躁状態の人が性的逸脱、アルコール依存、買い物依存、暴力に走ったり、鬱状態の人が自殺願望に及んだりと、周囲を巻き込む難しい障害です。

 

<的確な治療と処方>まず自分の障害を知り、認め、良い医師に出逢うこと

なってしまったものは仕方ありません。生きることはなるようにしかならないという部分が多いのです。どんな病もそれを知り、受け入れることからしか直りません。病気も自分の人生の一部だと考えるべきでしょう。影を知って初めて光を感じるように、まず認知した障害を良い主治医をみつけ治療していくことが大切です。気分障害治療の研究はかなり進み、良い処方が多く出来ており、昔より少しだけ偏見も改善されつつあります。日本障害者芸術支援協会はそんな治療安定への背中を押してゆく協会でもあります。

 

<私も障害を持っています>発症は20代、医師により認知したのは56歳(理事長)

晴天の霹靂でした。私が主治医により「双極性障害」であることを知ったのは56歳の時でした。なんとそれまでの35年間私は鬱病にはなったけれど、その聞き慣れない障害だとは夢にも思いませんでした。しかし過去35年間の自分のエピソードを思い出すと、公共の場で些細なことを正義感だと思い込み怒鳴り散らして注意したり、高額な衝動買いを続けたり、性的なコントロールもなかったり、急に落ち込んだりと思い当たることがたくさん繋がっていきました。

私の双極性障害は軽躁状態のため、周囲からはハイだけれど、元気で行動的で、アイデアもどんどん出てくる人物に見えていたようです。この軽躁状態があったからこそ、様々なデザインワークや美術館等での50回以上の個展などが実現出来たともいえます。確かに私と同じような障害を持った人々で極めて優れた業績を残した人々がたくさんいます。双極性障害をはじめ多くの気分障害といえるものの中にはなにか不思議な魅力や力があるのではないでしょうか。

 

<クリエイティブ・イルネス…創造の病>障害の裏に隠れた才能を引き出す協会

スイスの精神医学者エレンベルガーは創造的な思想や真理を発見したりすばらしい作品を制作した人々の多くが長年の神経症状態を経験していた事実を確認し、それを「創造の病」と名付けました。そして特に双極性障害や鬱病が「クリエイティブ・イルネス」だといわれます。

鬱病はどんな人にも突発的に発病するものです。そしてその中に創造的仕事をする人たちが多く含まれているといいます。そしてこれらの症状は決して停滞した状態ではなく、次の創造制作へのエネルギー充電状態ではないかとも推測されています。それは、精神疾患の状況時がアイデア創出の潜在機関と考えれば、多くの気分障害者がその才能とともに社会の中で埋もれていっていることに違いありません。

日本障害者芸術支援協会ではそういう障害を持った人々に障害の自覚と、障害がモチベーションになりうるそれぞれの能力を見いだし、その能力を広げていくためのサポートをおこないます。具体的には

★美術・デザイン・音楽等のワークショップの展開

★「アウトサイダー・アート、ボーダーレスアート、障害者美術教育等」の講演、教室

★障害者作品のメディア等での紹介や啓発

★特別支援学級への出張授業

★作品展/パフォーマンス発表/障害者と健常者の交流 etc.