インサイダーアートとアウトサイダーアートの境界

 

インサイダーアートとアウトサイダーアートの境界についても、近年様々な議論がされている。アウトサイダーアートが狭義に障害者、特に知的障害者の作品を指していうことが多く、一般的に知的障害や精神障害の作品、精神病院で行われるアートセラピー(芸術療法、クリエイティブ。セラピー等)などで表現されたものと考えられがちである。それだけでなく、芸術作品で生計を立てたり、美術団体・協会等に所属や発表することなくセルフ・トート(独学)で作品を制作し続けた健常者、刑務所等で初めて絵画を制作し始めた人々などの作品もアウトサイダーアートの範疇に入ると言われる。

しかし本人が内からの衝動で純粋に表現した作品を、本人自らが発表の場や機会を求めたり、それを実現した段階で、作品は社会の中で評価されるかどうかは別にして、社会の中に意志的に存在させたことでアウトサイダーアートでなくなるのではないだろうか。また、本人の意思に関わらず、第三者が公開したことにより「アウトサイダーアート」という名のついたインサイダーアートに変化してしまう。

結果「アウトサイダーアート」は「エイブル・アート」、「ワンダー・アート」、「ボーダレス・アート」など様々な名称のもとで、企業や公的機関等が作家と作品を支援する動きが活発化している。