「アート&デザイン教室」の可能性―アート&デザイン教室の監修と指導①

98月 - による mijomijo - 0 - WORKSHOP

 

YAMAHA「アート&デザイン教室」ワークショップポスター・フライヤー

これまで様々な形でワークショップを展開してきたが、それらのほとんどが単発のワークショップか、多くても3回程度のボリュームで依頼されることが多かった。

そんな中で、ヤマハ株式会社の企画担当部署より長いスパンでのワークショップを展開することが可能かという相談を受けた。ヤマハ株式会社(以下ヤマハ)は現在、音楽教室と英語教室を全国で運営している。今回ヤマハでのシミュレーションを「アート教室」ではなく、「アート&デザイン教室」としたのは、他教室との区別化に「デザイン」というキーワードが必要だと考えたからである。

ここで、いわゆる「アート教室」と「アート&デザイン教室」の教育目的・指導効果にどんな違いを導き出そうとしているかを述べたい。


■従来のアート教室

茅ヶ崎市美術館「ようこそデザイナー」ワークショップポスター・フライヤー

成果物(完成作品)へのこだわり:「きれいな風景が描けたね」、「かわいいお面が作れたね」、「面白い粘土作品ができたね」このように子どもの満足感をよそに、指導者も保護者も出来上がった内容に注目がいき、子ども自身の気持ちの中に持ち帰るべき何かについて注目することを忘れてしまう。また、成果物という判り易いお持ち帰り感覚も(親の)満足感として創作教室には必要になってくる。保護者は、作品の見た目や完成度に固執し、肝心の子どもたちの満足度、達成感、活性化などに気付かないまま終わってしまうことも多い。

制作方法の重視:もともと、ある程度見栄えのする作品を目指しているし、保護者もそれを期待するため、制作のための手順、方法、コツなどに要する時間が主になりがちで、子どもたちの制作への気持ちやアイデアを考える時間を奪うことになる。


■アート&デザイン教室

YAMAHA「アート&デザイン教室」ワークショップ・フライヤー

制作過程を重視:成果物にはあまりこだわらない。制作途中の子どもの反応や表情、言動、制作態度を大切にしてゆき、指導者はそこに集中して観察することが重要になってくる。

つまり、子どもたちが上手に作ることに意味を持たない。

プレゼンと講評:必ず、制作終了の後に時間をとり、子どもたちそれぞれに制作意図や感想をきく→これが講師のカリキュラム改善の要素になる。そして子どもたちのプレゼンをヒントにしながら、簡単なコメントをする。この時、褒めるだけでなく、的確なアドバイスをひとつだけする。

デザイン作品よりデザイン思考:アート&デザイン教室では表現技術より考え方や、ものの見方を育てていくことを主眼とし、これを保護者にも徹底して説明する。つまり、教室が終わって家に帰って家族に披露するものは作品より制作の説明や考え、感じたことなど。

社会との関わり:全てのカリキュラムが実際のアート・デザインの制作手順や考え方に則しており、教室での作業が実際の社会の多様なクリエイティブワークと繋がっていることを学ぶ場にする。

社会性の感覚教育:アート特にデザイン教育は社会性を学ばせるのに適している。実際のデザインワークは一人では出来ないし、様々な手続きやコミュニケーションが必要になってくる。マナーや規則、協調性など道徳教育ではない側面から子どもたちに社会を感じてもらうカリキュラムになっている。(特にカリキュラムに何回か設定されているグループ作業には、その効果が期待出来る)

 

YAMAHA「アート&デザイン教室」教育目的

 

協力・資料提供:ヤマハ株式会社